脳科学者、中野信子

「幸福な人生」というと、
何ごともない平穏無事な人生をイメージする人が多い。
しかし、同じ刺激が単調に繰り返されるだけでは、
脳内快楽物質は出なくなります。

波風が立たない人生の日々は、
脳にとっては何の新鮮な感動もない砂漠。
こうした飢餓状態が続くと、脳は衰えます。

さまざまな困難が次々と襲ってくる人生の方が、
それを乗り越えるたびに
深い幸福感を感じることができるのです。

人は誰もが平穏無事を願う。
しかしもし、何年も何十年もの間、
病気や事故も、困難も辛いことも何もなく、
毎日が平穏無事に過ぎていったとしたら、
人は確実にボケてしまうだろう。

困難や辛いことがあるからこそ、
それを乗り越えることによって、人間的に成長できる。

だから、後から振り返ってみて、
あの困難や辛いことがあったから、
今の自分がある、と思える。
そして、困難や辛かったことにも感謝ができる。

我々は、魂の成長のために、この地球に生れてきた。
それは、少しでも、人の役に立てる人間になること。
自分のことばかり考えている利己の人には、
成長も幸せもない。

「平穏無事な日々は、脳を衰えさせる」
自分に起こるすべての出来事を、笑顔で受け入れたい。

エンジンオイル、OEM仲間の経営塾より